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熱く、重い自分の想いに押し潰されそうになる。



想うまい、と心に誓った筈だった。
心を切り捨ててしまえば幾星霜を耐えられる、とも思った。
でも現実はそのどちらもできてはいない。僕はあの方を想い、その姿を秘かに追い、その声を聴こうと耳をそばだてている。触れることを恐れながらお役目で手を取るその時を待ち望んでいる。それは毒。甘く、けれども確実に心を蝕む毒のような想い。捨てなければならない、抱き続けてもどうにもならないと知りつつもそれはできないと心の声がする。ならば心ごと捨ててしまえば。けれど──

「エイト」
声ならぬ声が聞こえたような気がして振り返ると、窓の向こうにあの方の姿があった。
「姫様」
声には出せない。血を吐くような思いでそう心に呟き、窓に寄る。張りつめた眼で僕を見るミーティアとガラス越しに手を合わせた。そのまま引き合うように唇を寄せ合う。
せめてこの一時、時間が止まればいいのに。けれどもこんな明るい月夜では何もかもが明らかになってしまう。

温もりすら伝わる筈のない冷たい壁越しの口づけ。それが僕たちの精一杯だった。




以上、本編ギリギリアウトなラインの主姫でした。
ガラス越しとはいえチューは禁止ですw主人公は若干ヤンデレ入ってるし。

「I love you.」の翻訳で「時間が止まればいいのに」という訳を提案されたので書いてみた。

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