更新記録・近況・野球観戦記・日記など
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書いてみたはいいけれど、話が全く進まないため破棄したとある兄弟のネタ。
ホモじゃないよ。
ホモじゃないよ。
ある日の思い出
身なりの良い若者が二人、轡を並べて街道を進んでいた。
「しかし思っていたより簡単だったな」
快活な調子で栗色の髪の若者がそう言うと、連れの若者は首を傾げた。
「でも良かったのでしょうか?今日の園遊会は兄上のけ」
「おい、サザンビークの城門を出たら私はエディ、お前はクリフ、だろう?今から呼び慣れておかないと後々困るぞ」
「でもあに」
「エディだ。サザンビーク騎兵隊の私とお前は友人で、非番の今日、ベルガラックへ繰り出すところ、そう決めただろう」
「嘘を並べておいて最後だけ本当のことってどうなんですかね」
呆れたような顔を見せた青年に対し、「兄上」と呼ばれた青年は肩を竦めた。
「非番があってもいいではないか。大体、我々の立場など四六時中年中無休のおうぞ…えへん、見張られ役みたいなものだろう?」
「だからといって何も今日でなくても」
「お前は『だから』だの『でも』だのが多すぎる、クリフ」
「とってつけたように言いましたね」
「私も慣れておかないとな。お前もやってみるがいい」
「普通の人は『やってみるがいい』なんて言いませんよ」
「そうか?…それもそうだな。『お前もやってみろよ』か?」
クリフと呼ばれた若者は少し考える様子を見せたが、納得したかのように深く頷いた。
「そのよ…そんな感じです。あ…エディ殿」
「うまいじゃないか」
「私も楽しむことにしました」
「なら、いい。
…馬たちも駆けたがっている。少し走らせてみないか?」
「ええ。ではサザン湖の分岐のところまで勝負、といきましょうか」
「さては策があるな」
「いつだって勝つ気でいますよ」
と若者は馬の頸を軽く叩く。
「いいだろう。用意はいいか…それっ!」
※ ※ ※
西の大陸の端、ベルガラックは対外的にはサザンビーク王国の支配下にある一都市である。しかし実際のところはカジノがもたらす巨万の富を背景にしてカジノオーナーであるギャリング家が街を取り仕切る半自治体制を敷いていた。実際、封土された領主も、直轄地に置かれる代官もこの街にはいない。ギャリング家は取りまとめているだけであり、基本的には有力者たちの合議で運営されているためか、街にはひどく伸びやかな空気が流れていた。訪れる客の身元は詮索不要、争い事はご法度でただ運の有る無しだけが全ての待遇を決めるというその在り様によって世界中の王侯貴族がお忍びで訪れる場所となっていた。街側も心得たもので、街並みを美しく整備し自警団による警備で客の安全を確保することで金回りの良い、すなわち金持ちの上客を呼び込むことに成功していた。
「いつ来ても賑やかな街だな」
「そうですね」
街の入り口で二人の若者は楽しげな空気の流れる通りを見遣った。
「じゃ、行こうか」
「あっ、カジノの入り口はこちらでは?」
「分かってないな。この建物の向こうにある石像に祈りを捧げるとツキが回ってくるんだよ」
「えっ、本当ですか」
「ああ。今考えた」
「ふざけないでくださいよ」
「そういうお前だって一瞬その気になっていたじゃないか」
「そりゃまあ…その」
他愛のない会話を交わしつつ建物に沿って歩を進める。
「いや、実際ツイているのかもしれないな」
「そうですか?」
「宿の厩舎に馬を預けられただろう。あそこは多少金はかかるがカジノ直営で安全なのだ。近衛兵の馬を借りて来たのだし、盗まれては困るからな」
「盗人など捕えてしまえばいいのです」
(続かない)
…以上、某国王子たちの会話でした。
この調子で会話が続き、地の文が全く挟めないという事実に気づいてお蔵入りに。
身なりの良い若者が二人、轡を並べて街道を進んでいた。
「しかし思っていたより簡単だったな」
快活な調子で栗色の髪の若者がそう言うと、連れの若者は首を傾げた。
「でも良かったのでしょうか?今日の園遊会は兄上のけ」
「おい、サザンビークの城門を出たら私はエディ、お前はクリフ、だろう?今から呼び慣れておかないと後々困るぞ」
「でもあに」
「エディだ。サザンビーク騎兵隊の私とお前は友人で、非番の今日、ベルガラックへ繰り出すところ、そう決めただろう」
「嘘を並べておいて最後だけ本当のことってどうなんですかね」
呆れたような顔を見せた青年に対し、「兄上」と呼ばれた青年は肩を竦めた。
「非番があってもいいではないか。大体、我々の立場など四六時中年中無休のおうぞ…えへん、見張られ役みたいなものだろう?」
「だからといって何も今日でなくても」
「お前は『だから』だの『でも』だのが多すぎる、クリフ」
「とってつけたように言いましたね」
「私も慣れておかないとな。お前もやってみるがいい」
「普通の人は『やってみるがいい』なんて言いませんよ」
「そうか?…それもそうだな。『お前もやってみろよ』か?」
クリフと呼ばれた若者は少し考える様子を見せたが、納得したかのように深く頷いた。
「そのよ…そんな感じです。あ…エディ殿」
「うまいじゃないか」
「私も楽しむことにしました」
「なら、いい。
…馬たちも駆けたがっている。少し走らせてみないか?」
「ええ。ではサザン湖の分岐のところまで勝負、といきましょうか」
「さては策があるな」
「いつだって勝つ気でいますよ」
と若者は馬の頸を軽く叩く。
「いいだろう。用意はいいか…それっ!」
※ ※ ※
西の大陸の端、ベルガラックは対外的にはサザンビーク王国の支配下にある一都市である。しかし実際のところはカジノがもたらす巨万の富を背景にしてカジノオーナーであるギャリング家が街を取り仕切る半自治体制を敷いていた。実際、封土された領主も、直轄地に置かれる代官もこの街にはいない。ギャリング家は取りまとめているだけであり、基本的には有力者たちの合議で運営されているためか、街にはひどく伸びやかな空気が流れていた。訪れる客の身元は詮索不要、争い事はご法度でただ運の有る無しだけが全ての待遇を決めるというその在り様によって世界中の王侯貴族がお忍びで訪れる場所となっていた。街側も心得たもので、街並みを美しく整備し自警団による警備で客の安全を確保することで金回りの良い、すなわち金持ちの上客を呼び込むことに成功していた。
「いつ来ても賑やかな街だな」
「そうですね」
街の入り口で二人の若者は楽しげな空気の流れる通りを見遣った。
「じゃ、行こうか」
「あっ、カジノの入り口はこちらでは?」
「分かってないな。この建物の向こうにある石像に祈りを捧げるとツキが回ってくるんだよ」
「えっ、本当ですか」
「ああ。今考えた」
「ふざけないでくださいよ」
「そういうお前だって一瞬その気になっていたじゃないか」
「そりゃまあ…その」
他愛のない会話を交わしつつ建物に沿って歩を進める。
「いや、実際ツイているのかもしれないな」
「そうですか?」
「宿の厩舎に馬を預けられただろう。あそこは多少金はかかるがカジノ直営で安全なのだ。近衛兵の馬を借りて来たのだし、盗まれては困るからな」
「盗人など捕えてしまえばいいのです」
(続かない)
…以上、某国王子たちの会話でした。
この調子で会話が続き、地の文が全く挟めないという事実に気づいてお蔵入りに。
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