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昨日の更新で、冗長になるためやむなくカットした部分をちょこっと。






「その服だが、公のものではないな?」
と王は先程から抱いていた疑問を口にした。
「はい、今は。ですが後で公に着ていただこうと思っております。鬘は……何かの仮装ででも使うしかないでしょうが」
ミーティアの返答に王は頷いた。
「ただこれだけのために誂えたにしては豪華すぎると思っていたのだ。そうであるならば納得できる」
「公は大方、公式の場では近衛の制服で通してしまわれるのです。ですがこれ、と贈られてしまえばお召いただけるのでは、と思いまして」
その言葉にクラビウスは笑った。
「それはよろしくないな。よい、今度こちらからも何か見繕って贈らせてもらおう」
「ありがたき御心遣い、感謝申し上げます」
クラビウス王から贈られたのなら着用せざるをえまい、とミーティアはこっそり微笑んだ。
「それにしても……」
とクラビウスは目の前の客人が着る服をよくよく観察した。
「そのレースはサザンビーク製ではないと見たが」
「左様でございます。トラペッタ公妃は娘たちの教育の一環としてレース編みを奨励しており、
最近漸く成果が上がり始めたとか。微力ながら彼女らの励みになればと装飾に使った次第でございます」
「なるほど」
繊細な工芸品はサザンビークの独壇場であったが、やや素朴さを残しながらも品の良い出来栄えのレースに王は内心舌を巻いた。
「こうやって着ていけばトロデーンのものに眼を向ける者もあろうかと。サザンビークのレースは貴婦人方の間では大層な人気だと伺っておりますが、こちらとてひけをとるものではないと自負しております」
彼女の言葉に王は短く「ふっ」と笑いを漏らした。
「宣戦布告という訳か。よかろう、サザンビークとて負けるつもりはない。全力を以て良い品を作らせよう」
「楽しみにしております」





以上、入れるつもりだったんだけど主題がばらけるのでやめた部分でした。
王族のお仕事の一環なので、姫の衣装は全てトロデーン製です。

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